道場稽古の流れ

【準備運動】

稽古の始めに動的ストレッチを含む空手独特の準備運動を毎回必ず行います。

これは本格的な動きの稽古に入る前のウォーミングアップとしての意味があります。

しっかりと正確に実施することで怪我の予防や柔軟性の向上にもつながる大切な運動です。

 

【基本稽古】

まず体の移動はせず空手独特の決められた立ち方になり、その場で手技(突き・受け・手刀等)と足技(蹴り)の基本的な動き・体の使い方を稽古します。

 

【移動稽古】

次に、やはり空手独特の立ち方から体を移動しての手技・足技の稽古を行います。ここで行う動きは体の移動は伴うものの実際に戦う時の動きとは違います。どちらかというと不自由な立ち方で決められた動きをすることにより、戦う際の体の動かし方の基礎を身に着けて行きます。

 

【型稽古】

受けと攻撃を組み合わせた一定の動きをする「型」というものが空手にはいくつも存在します。

各人の帯色や上達度に応じた「型」を稽古することで、前後左右斜め等様々な方向への受け・攻撃等、体の使い方を学んで行きます。空手にはこの「型」を行いその習熟度を競う「型試合」も存在します。実際に熟練者の行う「型」は大変見ごたえもあり素晴らしいものですが、決して見せるためでは無くあくまでも稽古の一環として行うべきものです。

 

【組手構えからの稽古】

空手独特の立ち方では無く、実際に相手と戦うことを想定し「組手立ち」という動きやすい立ち方で手技・足技等を行っていく稽古です。基本稽古・移動稽古・型稽古で体に憶え込ませて来た体の使い方等を、実際に戦う際の構えから動いて使うための稽古になります。

その場で行うもの、手技のみで移動しながら行うもの、足技で移動しながら行うもの、手技・足技を組み合わせ尚且つ移動して行うもの等様々な動きを稽古し、実際の組手で使える様にしていきます。

 

【ミット稽古】

組手構えで習得した技を実際に物に当てて行っていく稽古です。ミットには様々な形や大きさのものがあり、また、稽古の仕方も様々ありますが、まずは正確さを重視して行うべきだと思います。実際の攻撃を物に当てるという事で、比較的多くの人が好んで稽古する傾向がありますが、正確さという観点からも、基本・移動・型・組手立ちという段階をある程度しっかり経た後に行うべき稽古です。

 

【約束組手】

実際に相手と相対し、決められた技の出し方及びその防ぎ方等を動きの中で行っていくものです。この稽古からは怪我防止のため、お互いが手足にクッション性のある「サポーター」「グローブ」等を着用して行います。お互いのための良い稽古となる様、正確に最初は軽くゆっくりとした動きから行っていきます。

 

【組手稽古】

実際に相手と技を出し合い、動きの中で攻防の仕方を稽古していきます。一般的には道場内では近年「スパーリング」と言って、お互い軽めの動きの中で攻防の技術を学んでいく形がメインとなっており、全力の組手は昇級審査や試合以外では余り行いません。

道場では各人の体格差・体力差がありますから、誰もが毎回組手稽古を全力で行う事は、決して各人の技術の向上につながりません。お互いが技術向上のためのパートナーとして尊重し合い稽古していくことが何よりも大切であると考えます。  

5月1日

5月の稽古スケジュールを掲載しました。